国鉄九州動力車労働組合(通称:動労総連合・九州)の活動を紹介するブログです。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
5月1日に東京で行われたメーデー集会に送らせてもらったメッセージを紹介します。
5・1メーデーへのアピール
2016年5月1日
国鉄九州動力車労働組合
メーデー参加者のみなさん、日々の闘いおつかれさまです。動労総連合・九州より、共に闘う決意を込めてメッセージを送らせていただきます。
皆さまがご存知のとおり、4月14日、16日と熊本県を中心とした九州各地を震度7の大地震が襲いました。27日午後6時現在で49人の方が亡くなられ、なお一人が安否不明、37000人に上る人々が依然として避難所での生活を余儀なくされるという大きな被害がもたらされています。さらに行政が把握していない多くの自主避難所や車中泊者が存在し、その全容はつかめていません。その中で肺塞栓症(エコノミークラス症候群)などによる震災関連死が増加し、すでに16人の方が亡くなったと報じられています。このような報道に触れ、長期化する避難生活をおくる現地の人々を思うたびに、胸が張り裂けんばかりの哀しみがつのります。
今回の地震は、単なる自然災害では断じてありません。それは国鉄分割・民営化以来30年余にわたって推し進められてきた新自由主義政策がもたらした搾取と貧困の拡大、地方の切り捨て、社会機能の崩壊によってその被害が極限的に拡大された、まごうことなき人災です。保守・修繕のコストを削減し続けた結果、鉄道や道路、港湾および空港は全てストップし、避難経路の確保や物資の補給は大幅な制限を受けるに至りました。住民の避難場所であり災害対策の拠点であるはずの公立病院や役場そのものが老朽化を放置した結果として倒壊・破損するに至り、甚大な混乱をもたらしています。何より、際限なき人員削減、民営化・外注化・非正規職化と労働組合の破壊により、住民の生活と密接につながった自治体の機能は根底から破壊され、全国から届けられても被災者まで届かず山積みになる物資、届けられないから受け入れを拒否する自治体という転倒しきった現実が生み出されています。国による「プッシュ型支援」と称した自治体を介さない「物資の押し付け」はこうした混乱に輪をかける結果を生み出しました。安倍政権は「物流の早期回復」を誇っていますが、それは被災者の間の「経済格差」を露わにし、なお一層の分断を生み出しています。
何より、今回の地震は震源が川内原発にほど近い熊本県南部や、伊方原発へと続く中央構造線へと向かう大分県にまで連動し、現在に至るまで実に970回超の揺れが続いています。大規模地震は他の活断層や火山活動にも重大な影響をもたらすということは、争う余地のない事実です。重大事故の際にはその使用が前提となっている高速道路、新幹線はすべてストップし、避難計画は完全に破産が突き付けられました。にもかかわらず政府、原子力規制委員会、電力会社は「原発に異常はない。停止の必要はない。」と開きなおり、原発利権にすがりつくために稼働を継続しています。断じて許すことはできません。
さらに、この原発稼働継続は核武装のためのものであり、安倍政権による改憲・戦争への突入と一体です。熊本地震の直後、自衛隊は武装したF2‐A戦闘機をスクランブル発進させ、被災地を「警戒監視」しました。19日には南阿蘇村に米海兵隊のMV22オスプレイを飛来させ、軍用車両の通行を一切に優先させるなど、集団的自衛権行使の先取り演習として今回の地震対策をおこなっています。災害ボランティアもすべて行政が管理し、自主的な救援活動はやらせないという治安管理の意図がむき出しにされています。それは、労働者住民が自主的に団結し災害に立ち向かう中で、そこにはらまれている新自由主義の破綻的現実をつかみ、怒りをもって立ち上がることを予防的に押しつぶすためだけにおこなわれている治安弾圧そのものです。そして、それによって本来発揮されるべき労働者・住民の共同性は阻害され、被害の拡大と被災地における分断がもたらされています。それこそが日本政府、安倍政権が「3・11」を「教訓」化し、実践していることの全てです。
動労総連合・九州は、この「第2の3・11」とも言うべき熊本大震災の現実に対して、今こそ労働組合として声を挙げようと決断し、4月17日以来現地救援活動を開始しました。4月20日には緊急の呼びかけにも関わらず全国の仲間から多くの救援物資を送っていただき、それを熊本に実家を持つ動労福島の仲間と共に、地震被害の大きかった熊本県益城町へ届けることができました。改めて全国の仲間に感謝を申し上げます。
現在も、熊本県内各地で救援活動をおこなっています。私たちの力はまだ本当に微々たるものですが、全国の仲間の支えをもって熊本現地とつながることで、この大震災を乗り越え、新自由主義を打ち破ることのできる強固な団結をつくりあげていく決意です。そのために、改めて被災地救援活動への皆さんの御支援をよろしくお願いします。
これから本格的に問題になるのは、震災解雇をはじめとする労働者民衆の生きる権利全てを根こそぎ奪いとる資本・国家権力との闘いです。とりわけ、150か所以上の異常をほとんど放置したまま九州新幹線の全線運転再開に踏み切ったJR九州資本が推し進める今秋株上場と、それに伴う駅無人化、業務外注化と非正規職の拡大を絶対にゆるすことはできません。この闘いと一体で、国鉄1047名解雇撤回の原則を貫き、JR九州資本に対して解雇撤回・現職復帰を迫り徹底的に闘っていきます。このJR資本との闘いを貫く中で、青年労働者、非正規労働者をはじめとしたあらゆる労働者とつながり、九州全域に闘う労働組合を打ち立て、日本におけるゼネラルストライキを実現する力へ発展させていきたいと考えています。
熊本大震災の未曽有の被害を前にして、しかし私たちは闘う労働組合が勝利する決定的展望を感じています。資本と国家権力による分断と圧殺にも関わらず、被災地には住民たち自身による生き抜くための団結が生み出されています。新自由主義の破綻は誰の目にも明らかとなり、社会の崩壊とも言える現実は、徹底した人員削減による「労働の破壊」と一対であることを皆が感じています。浅薄な公務員バッシングなどもはや一切通用しません。動労千葉・動労水戸を先頭にした階級的労働運動を貫く私たちの闘いは、3・11福島の怒りと結合し、沖縄の青年労働者の根底的決起を生み出し、橋下・維新を粉砕し、京大反戦ストを実現することで、この巨大な意識の変化をもたらす闘いを実現してきました。そして動労千葉がCTSの就業規則改悪をいったん阻止し、全国の動労総連合の仲間たちがストライキに立ち上がった今春闘の闘いは、2千万人の非正規労働者すべてを階級的労働運動に獲得する決定的な展望を切り開いています。
私たち動労総連合が熊本大震災に直面し、直ちにアピールを発して全国の支援を受け被災地救援に入れたことも、3・11以来の闘いと動労総連合建設の前進が生み出した決定的勝利です。こうした闘いが、職場の青年労働者、非正規労働者を一人、また一人ととらえたときに、それが1000万の労働者民衆を獲得する力となり、この社会を変革する展望が大きく生み出されてくると確信します。その力で「新たな労働者の政党」を真っ向から呼びかける鈴木たつおさんの参院選勝利を絶対に勝ち取りましょう!
最後に、本日、北九州市では原発利権と石油権益をめぐりG7エネルギー・サミットが開催されます。これに対する抗議闘争も、メーデーの闘いと一体で取り組む予定です。帝国主義の強盗会議・戦争会議を打ち破り、労働者の国際連帯をかけて闘う決意です。
労働者階級の勝利に向かって、共に団結して闘いましょう!
5月1-2日と、北九州市の「リーガロイヤルホテル小倉」にて、主要国首脳会議(サミット)のエネルギー担当大臣会合がおこなわれています。
この会合は、熊本震災が発生し、さらなる大地震も懸念される九州の地で、その危険性を一切無視して原発を使い続けることを宣言するためのものです。
写真左奥の大きなビルがリーガロイヤルホテル小倉。
手前の橋には「成功させよう!!G7北九州エネルギー大臣会合」の横断幕。
成功しなくて良い!
ということで、サミット弾劾の抗議行動をおこないました。
羽廣委員長を先頭に、「リバーウォーク」の前でマイクアピールとビラまき。川内原発の即時停止、サミット弾劾、そしてなんの安全対策もないまま株式上場のためにJR九州新幹線の全線開通を強行したJR九州経営陣を許さない、と訴え、国鉄解雇撤回の署名も呼びかけました。
多くの人がビラを受け取り、足を止め、議論がおこりました。まだ10代の青年労働者はその場で腰かけ、熱心にビラを読み込み「(地震や原発事故の現状を見て)やっぱり一部の人たちが社会を支配しているのはおかしいと感じる」と意気投合。署名にも快く応じてくれました。
以下は当日配布したビラの内容です。
本日、福岡県の連合メーデー参加者に向けて、以下のアピールを載せたビラを配布しました。
熊本震災救援、労働法大改悪反対!
ゼネストで戦争と改憲の安倍打倒へ!
国鉄九州動力車労働組合
メーデー参加のみなさん! 4月14日、16日と熊本で「震度7」の地震が2度、同じ場所を襲うという前例の無い大震災が起こりました。死者49人、行方不明者1人、震災関連死は16人を超え、今もな連日余震が続き、その数は1000回を超えました。負傷者は1135人、建物の全半壊は2479棟にのぼり、避難者は20万人に達しています。
私たち国鉄九州動力車労働組合(動労総連合・九州)は、震災によって亡くなられた方々の冥福を祈るとともに、労働組合として労働者・住民の命と生活を守るために、4月17日より被災地救援の活動を開始しました。この活動への支援を心よりお願いします。
●熊本地震は新自由主義による人災
今回の熊本大震災は、単なる自然災害ではありません。1987年の国鉄分割・民営化以来30年余続く新自由主義の資本家優遇・地方切り捨ての政策、さらに政府の「九州の西側では大地震はない」というデマ宣伝によって、より巨大化した人災にほかなりません。
多くの方が老朽化した家屋の下敷きや避難先のストレスで亡くなりました。それは、熊本市民病院や宇土市役所の崩壊など、本来なら救援拠点となるべき場所が崩壊し、自治体職員の大幅削減で、救援そのものが対応不能に陥ったことと無縁ではありません。
熊本は、実際は日本有数の断層地帯、火山地帯です。地震の危険性を過少に評価する政府や御用学者の宣伝は、川内原発再稼動と九電を守るためのデマ宣伝だったのです。それゆえに自治体も「震災への備え」を決定的に欠き、被害の拡大を招いたのです。
全国から救援物資と救援カンパを送っていただいた皆さん。本当にありがとうございます。この間、被災地救援活動を全力でおこなっていますので、以下報告です。
4月14日、16日と震度7の激震が熊本を襲い、熊本県の益城町、西原村、阿蘇地方、熊本市に激甚な被害をもたらしました。それは、大分地方にも連動し、がけ崩れや家屋倒壊など福岡・佐賀県まで被害が広がっています。
こりゃ大変だ、何とかせねば、と動労総連合・九州の仲間と相談し、救援体制をとりました。
17日、動労総連合・九州の組合員をはじめ先遣隊が、被害状況把握のために熊本入りしました。九州自動車道を北から植木インター前まで進んだところで大渋滞、降りるだけで4時間もかかり、へとへとになって熊本市内にやっとたどり着く状況でした。
いつも泊まっていたところは外壁にひびが入り、外階段はぐらぐら。中は全ての家具がひっくり返り、ガラスは破損し、電気はきていたものの水道、ガスはストップ、何もかも壊れめちゃくちゃでした。付近の住人たちは近くの避難所に全員避難し、「また激震があったらと思うと怖い。昼は避難所、夜は避難所に置いている車の中で寝ている」という話でした。
そこに行く過程で、熊本城の脇を通ったのですが、城壁は無残に崩れ、石垣が道路まで散乱していました。5階建マンションの1階部分が完全につぶれ、斜めにひしゃげた姿も目の当たりにしました。この間、百万人署名運動熊本県連絡会(準)が毎月街宣活動をやっている下通りのアーケード街もめちゃくちゃでした。日曜日なのに、人っ子一人いない大アーケード街の異様さに、震災の大きさを実感しました。
18日、動労総連合・九州が全国に救援を訴える声明を出しました。余震の続く熊本では寝泊りができません。福岡の組合事務所に救援本部を設置し、県境に仮事務所をつくり、救援活動の開始です。
第一弾は、動労福島の組合員の実家から始めました。実家は、震度7が二度襲った益城町にあります。「実家に駆けつけたい。20日に来る」という連絡を受け、前日から準備に突入。
前夜、仮現地救援本部に着き、早朝6時からの強行軍に備え仮眠です。20日朝、動労総連合・九州の羽広委員長を先頭に、「団結ガンバロー」を行ない、元気いっぱい出陣しました。動労福島の仲間を含め総勢6名、2台の車は救援物資で満載です。寸断された道路、大渋滞を突き進み、益城町に何とかたどり着き、水など救援物資を手渡すことが出来ました。
※益城町の様子はひとつ前の記事参照
翌日から現地救援本部に寝泊まりし、電話で安否確認をしながら、地をはうように知人宅を回りました。
21、22日、「まだ物資が届いていない地域が多くあるので手伝ってほしい」という友人からの依頼があり、そこを重点的にまわってきました。さらに、阿蘇、熊本市内へも移り、街宣で知り合った人にも救援物資を届けました。1日かかって1~2人が精一杯の現状です。大半が避難所暮らし。長期のため、家で何とか過ごせる人は帰ってきていますが、まだ水・ガスが使えないところがたくさんあります。
ある人は、寝たきりのお母さんの介護のために東京から引っ越してきたばかりで震災にあい途方に暮れていました。物資を届けるととても喜んでくれました。わずかな時間でも、不安を口にする相手がいることが「ストレス解消になる」ようです。
全国から送られた大量の水、ボンベ、食料などが大変役にたちました。本当に感謝です。福岡市内でも直後から3-4日は、水がどこにもない状態でした。
多くの人が、16日の本震の恐怖で「家には寝泊りできない」と口にし、幼い子どもたちは夜中のちょっとの余震でも「避難所に行こう」とせがむと言っています。
家が何とかもった人も、勤務先が倒壊したり、仕事に行けない人も多く、非正規で働いている人たちは、直ちに生活に困っています。2週間を過ぎた今、仕事を探さなければということが、住むところをどうしようか、と同じくらい深刻な状況になっています。
これほど被害を大きくしたのは、国鉄分割・民営化に始まる30年余の新自由主義政策、歴代政権の「資本家優先・救済=地方切り捨て政策」にあります。
九州新幹線の脱線問題は重大です。脱線防止装置を着けないまま運行し、脱線後も何らの安全対策をおこなわないまま27日再開しました。人の命を何と思っているのかと怒りに震えます。動労総連合・九州は、救援活動に全力をあげるとともに、鉄道の安全を守るために、この問題に真正面から取り組みます。
救援活動は息の長い闘いです。水、食料の供給は一段落し、現在、不足しているのが、ノロウイルス対策でも
ある手洗い用の消毒用アルコール、男女、子どもの下着です。問題はこれからです。家も住めず、再建のめどもたたない、仕事もない、という中で、生きるための闘いが起こっていくと思います。政府は、選挙対策もあり、一旦は全力をあげるでしょうが、徐々に切り捨ての意思をむき出しにしてくるでしょう。これから労働組合の闘いが問われます。ぜひとも引き続き、救援カンパへのご協力をよろしくお願いします。