国鉄九州動力車労働組合(通称:動労総連合・九州)の活動を紹介するブログです。
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10・2集会基調
結集された皆さん、おつかれさまです。私たち動労総連合・九州は全国の動労総連合の仲間と共に、10月25日にもおこなわれようとしているJR九州の株式上場を弾劾し、国鉄1047名解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃、鉄道の安全崩壊を許さないという立場を断固として示していくために、本日この場に集まりました。
この集会の後には、JR九州本社への抗議デモをおこない、そして明日は組合として団交申し入れをおこないます。本日そして明日の闘いを、団結して勝ち取っていきましょう。両日の行動の基調を提起していきたいと思います。
(1)JR九州の株式上場弾劾!
JR九州は10月25日にも株式上場をおこなうと発表しました。旧国鉄から7つに分割されたJR各社の中で、東、西、東海はすでに完全民営化を果たしてきましたが、九州・北海道・四国のいわゆる3島会社とJR貨物は、90年のJR発足から実に25年以上経ても、いまだに国からの補助金なしではやっていけないという破綻をさらけ出してきました。この破綻を覆い隠し、国鉄分割・民営化の成功をなんとか演出するために、今回の株上場がおこなわれようとしています。
しかし、このJR九州もやはり鉄道本体の営業は大赤字のまま。JR九州が喧伝する「好調な営業成績」の実態は、業務外注化と非正規職化による安全管理のコストダウンを断行し、不採算のローカル線を切り捨て、駅要員を極限的に削減して無人駅を増加させ、旧国鉄時代からの所有地の売却や再開発などの不動産・観光ビジネスでなんとか帳尻を合わせた結果に他なりません。そうすることによってJR九州は鉄道事業と、その中での安全の確保という社会的な役割は完全に放棄し、ひたすらに金もうけを追及する企業に成り果てました。
今年4月の熊本大震災では、九州新幹線の脱線事故が発生しましたが、その中でJR九州は脱線防止の措置であるストッパーの設置を完全に怠ってきたことが明らかになりました。さらに、長崎本線では駅要員の削減によって列車同士があわや正面衝突するという事態も起きています。全ては営利優先で安全維持のコストを削減する経営によって生み出されているものです。株式上場はこうした安全崩壊をますます促進させることになります。さらに、JR九州社長の青柳は、上場後の黒字確保策として、さらなる無人駅の拡大、ローカル線の切り捨て、業務の外注化・非正規職化をおこなうとも明言しています。JR九州の株上場は労働者の権利と、地域住民の生活の基盤を徹底的に破壊し、一握りの経営者、株主に濡れ手に粟のぼろ儲けをさせるものでしかありません。私たち動労総連合・九州は、このJR株式上場に絶対反対を貫き、鉄道を労働者と住民の手に取り戻すために闘い抜きます。何よりもそのことをJRと関連会社で働くすべての仲間に訴え、組合への結集を勝ち取っていきます。
(2)国鉄1047名解雇撤回・現職復帰=JR採用をかちとろう。
続いて、本日の行動のもう一つの目的は、国鉄分割民営化に伴う1047名の労働者の解雇を撤回させ、現職復帰・JR採用をかちとっていくために、動労総連合・九州としてJR体制との本格的な対決を宣言するということです。1987年の国鉄分割民営化は、労働組合の解体を狙った戦後最大の国家的不当労働行為でした。
当時の首相・中曽根は後のインタビューで「国労をつぶし、総評・社会党をつぶして、床の間に立派な憲法を安置する」と民営化の狙いをあけすけに語っています。実際にこれによって20万人の国鉄職員が退職を余儀なくされ、最大労組国労の組合員は5分の1位以下に激減し、総評・社会党は崩壊しました。以後、労働組合は後退を繰り返し、2000万人に上る低賃金で不安定な非正規職労働者を生み出す民営化・外注化や派遣労働、契約労働が全社会に横行してきました。
動労千葉は、この国鉄分割民営化に絶対反対を貫き、ストライキに立ち上がることで団結を維持して、JR発足後も闘い続け、今や外注先の非正規労働者とも一つの組合として団結し、非正規職撤廃で闘うという決定的な勝利を切り開いています。
同時に、民営化に際して「余剰人員」と言われ、解雇された組合員の解雇撤回を求める鉄建公団訴訟において、ついに元JR東海会長・葛西(当時は職員局次長)が組合差別の目的をもって不採用者の名簿作成をおこなっていた事実を暴露し、不当労働行為の認定を勝ち取る最高裁判決をかちとるにいたりました。
さらに、この裁判ではJR設立委員会会長の斎藤英士郎が、旧国鉄幹部と頻繁に謀議し、組合破壊を策していたという証拠を突き付け、JRこそが1047名解雇の下手人であり責任者であることを決定的に暴き出しました。
私たち動労総連合・九州の組合員は、これまで国労に所属し、闘争団として解雇撤回を求めて闘ってきましたが、国労本部はこの国家的不当労働行為に屈服し、動労千葉の闘い、闘争団の闘いを裏切って2010年の4・9政治和解を強行しました。さらに、これを拒否した私たちから組合員資格をはく奪するという暴挙に踏み込んできました。
この歴史的裏切りを打ち破り、闘争継続を選択した私たちは、ついに本年2月、動労総連合・九州を結成して、動労総連合の一員として解雇撤回の旗を守り抜き、JR労働者、関連会社のすべての労働者を獲得するために新たな闘いに立ち上がりました。明日、動労総連合・九州として初めてJR九州に対して解雇撤回・現職復帰=JR採用を求める団体交渉を申し入れます。
「仲間の首切りを認めない」ということは、労働組合として絶対に譲ることのできない原則です。この旗を守りぬくことで、すべての労働者に対して、私たちこそが最後まで裏切らず、ともに闘う仲間なんだという信頼を勝ち取っていけると確信しています。今日、明日の行動を新たな出発点に、国鉄署名をもってあらゆる職場・地域に分け入り、仲間を獲得していきましょう。
さらに、本日の行動はJR体制打倒の闘いであると同時に、改憲・戦争と労働法制の全面改悪に突き進む安倍政権を打倒する闘いです。昨年の戦争法案強行採決に続き、安倍は本格的な改憲論議に踏み切ろうとしています。
安倍を突き動かしているのは、世界大恐慌の爆発による資本家階級の危機と、切迫する朝鮮戦争情勢です。アメリカは、この間史上最大の軍事演習を何度となく繰り返し、北朝鮮への戦争重圧を強めてきました。これに対して北朝鮮はミサイル発射実験と核実験の強行という形で対応し、いつ戦争が始まってもおかしくないほどに緊張が高まっています。
さらにランド研究所というアメリカの軍事分析の研究所はこのほど「25年後には被害が大きくなるから、可能な限りはやく中国に対して戦争を仕掛けるべき」というとんでもない見解を発表しました。北朝鮮への戦争は直ちに中国との全面戦争であり、東アジア、世界全体を巻き込んだ、核の使用をも含めての大戦争にならざるをえません。安倍政権はこの朝鮮戦争・世界戦争に参戦し、軍需産業と領土・市場の分捕りで生き残るために武器輸出の全面解禁、核兵器使用合憲の閣議決定を相次いで打ち出してきました。
JR東海の葛西はこの安倍の戦争政治・戦争外交と一体になって、東アジアおよび全世界への鉄道インフラ輸出でJR体制の延命をはかろうとしています。それは、一握りの支配者の利益のために、99%の労働者民衆を国境で分断し、殺し合わせるものです。こんなことを絶対に認めることはできません。今こそ、戦争絶対反対の声をあげ、世界中の労働者と団結して立ち上がる時です。
(4)11月国際共同行動へ
朝鮮戦争が目前に迫る情勢の中で、韓国の労働組合の連合体である民主労総は労働法制の全面改悪に絶対反対を掲げ、朝鮮戦争とそのためのミサイル配備に反対する地域住民との連帯をつくりだしつつ、巨大なゼネラルストライキに立ち上がっています。9月27日を前後して、20万人以上の労働者が波状的にストライキに突入し、朴槿恵政権を徹底的に追い詰めています。
民主労総傘下のソウル地域本部の仲間たちは10年以上にわたって動労千葉との国際連帯を継続し、国境を越えて労働者はともに闘えるということを示してきました。そして今年の11月は日本の3労組とソウル地域本部が共同で呼びかけ、11月6日の東京日比谷の労働者集会と11月13日のソウルの労働者大会が全世界の労働者の国際共同行動として勝ち取られようとしています。
本日の行動は、動労総連合としてJR九州およびJR体制の全面打倒、安倍政権打倒の闘いを宣言するとともに、この11月国際共同行動への大結集をつくりだしていくための出発点です。今日、明日の行動を打ち抜き、直ちにその地平で九州のあらゆる職場に分け入って、11月国際共同行動への大結集を勝ち取っていきましょう。
以上を本行動の基調として提起します。
6月9日朝、動労総連合・九州は、羽広憲委員長を先頭に、JR鹿児島線・富合駅前にある九州新幹線の熊本総合車両所にたいするビラ入れ行動に決起した。小雨の中、通勤してくるJR労働者に「安全対策そっちのけの九州新幹線運行再開を弾劾しよう」と訴えるビラをまき、動労総連合・九州への加盟を訴えるリーフを配布した。
4・14の九州新幹線脱線事故は、全車軸が脱線する新幹線事故では最大の事故だ。列車やレールには、「脱線防止ガード」や「脱線防止ストッパー」を着けていなかったことが判明している。
だがJR九州は、4月27日、何らの安全対策も取らないまま、「ゴールデンウイークにまに合わせる」と表明して運行再開した。安全対策を実施することを公に表明したのは、何と再開1ヵ月後の5月27日だ。余震は今も続いている。気象庁は、「今後2ヶ月間は震度6弱クラスの地震の可能性がある」と発表していた。一体、安全問題を、人の命を何と思っているのだ。金儲け優先のJR九州への怒りに燃えた行動であった。
動労総連合・九州のビラまき隊を見て、JR労働者から「オオ-」と声があがった。
昼からは、福岡県労組交流センターの仲間も加えて熊本市中心街・下通りでの宣伝戦に決起した。
下通りへの動労総連・九州の登場も衝撃的だ。特に、「動労総連合・九州」と「1047名解雇撤回」の二つののぼりは注目の的だ。羽廣委員長の力強い発言を聞き、労働組合ののぼりを見ながら「頑張ってるな」と署名に応じる人が相次いだ。
「震災被害の拡大は新自由主義がもたらした人災です」「震災解雇は拡大し、労働相談は1万件をこえています。被災地対策は参院選まで。被災地の切り捨てを許さず、被災者組合、労働組合をつくって闘おう。国鉄解雇と30年間闘い抜いてきた動労総連合・九州と一緒に闘おう」
この訴えに、振り向いてチラシを受け取る人、署名に応じ「頑張って」とカンパをする人も現れた。
「皆さん!被災地切り捨てを許さず一緒に闘おう」「労働法制大改悪、憲法改悪を許すな!」「戦争と非正規をなくそう」「命よりカネという新自由主義社会を労働者の力でつくり変え、労働者が主人公の社会をつくろう」という訴えは、共感を生んだ。
● 翌10日、益城町、南阿蘇に救援物資を届ける。
翌10日、最も震災被害の大きかった益城町と、南阿蘇へ救援物資を届ける闘いに決起した。
震災から2か月、いまだ6400人を上回る人たちが避難所生活を強いられている。その数字は行政が把握している表向きの数字だ。高齢者や障害者、避難所統廃合ではじき出された人、自宅の敷地内にテントを張って住んでいる被災者を加えるとかなりの人が、避難生活を強いられている。
益城町では、家屋全壊でいまなお公民館で避難生活をしている人たちのところを訪ねた。「小さな公民館に40名もの人たちが入り、敷布団1枚に2人で寝ていた」と言う。家の全壊した写真を見せながら「全壊家屋でたったの300万円だ。こんなカネで家は建てられない。ローンも終わらない。入居する仮設住宅もない」と語る被災者の悲痛な声が印象に残った。梅雨が続いている。連日の猛暑。解体作業も行なわれないまま全壊・半壊の家がそのまま続いている益城町を後に南阿蘇へと転戦した。
南阿蘇は、今なお、陸の孤島だ。赤ちゃんのおむつなどを届けると喜ばれた。避難所暮らしの大変さが口々に語られた。遠くに見える阿蘇山は、削り取られ、山肌がむき出しだ。「(阿蘇山はがけ崩れなどで)毎日、その姿が変わっていく。さらに大きな山崩れが起きるのでは」と心配していた。
梅雨の長雨で土砂崩れの危険性が高い。そこには避難所もある。
新聞で「阿蘇市の自治体労働者が自殺」と報道されていた。過労が原因か? 新自由主義は、二次被害、三次被害とどこまでも人の命を奪っていく! 被災地切り捨てを許さず、ゼネストで革命を!「新しい労働者の政党をつくろう」。